外壁の修理費用の相場を解説
住宅の外壁の修理を依頼する際には、費用がかかります。
費用の相場をあらかじめ認識しておくことで、高額な請求や安すぎてずさんな業者に騙されるリスクが減るでしょう。
費用の相場や自己負担を減らす方法を知り、上手に修理を完了させしましょう。
外壁の修理が必要な状態
外壁は風雨や日光にさらされることで、知らず知らずのうちに劣化や損傷を受けていくものです。
修理が必要な外壁の状態を把握しておき、自宅の外壁をチェックしてみましょう。
外壁の劣化原因
外壁の劣化の原因には、次のようなことが挙げられます。
外壁の劣化とその原因
- 色褪せ:紫外線に晒され続けたことで、塗膜を守る樹脂が劣化
- サイディングの反り・浮き:素材の経年劣化
- シーリング(目地)のひび割れ・剥がれ:経年劣化による素材の硬化・痩せ
- クラック(ひび割れ):経年劣化・施工不良・地震や凍て割れなどの外的要因
- サビ:雨水などの水分が付着する(トタン外壁・金属サイディングなど金属製の外壁材のみ)
- 破損・穴:台風や竜巻の際に飛来してきた物、雹(ひょう)などによる破損
経年による外壁素材の劣化だけでなく、台風などでの飛来物や落雷で外壁が損傷することもあります。
日々のチェックに加えて、台風や地震の後は特に注意深く外壁の状態を確認しましょう。
放っておくと怖い外壁の劣化
外壁の劣化を放っておくと、以下のようなリスクがあります。
外壁の劣化を放っておくことのリスク
- 雨漏りの発生
- 建物の耐久性ダウン
- カビの発生による健康被害
- 湿気によるシロアリの発生
- 見栄えの悪化
多くの人は、「見栄えは気にしないから大丈夫」「まだ小さいひび割れだから大丈夫」と油断してしまいがちです。
しかし、外壁のひび割れなどの劣化を放置しておくことで、見た目の悪さだけでなく住宅全体の耐久性や住む人の健康問題にまで影響があります。
特にひび割れは、いくら小さくても毛細管現象で雨漏りを引き起こす原因となり、外壁材の腐食や室内への雨漏り、カビ・シロアリの発生などに繋がりかねません。
身を守るための住居であるはずなのに丈夫でなかったり、健康を害してしまっては元も子もありません。
外壁の劣化を早期に発見し、早いうちから手を打っておくことが必要です。
外壁の劣化を見つける方法
外壁の劣化を見つける際のポイントがあります。
外壁の劣化チェックポイント
- チョーキング現象:外壁に触れたとき、同じ色の粉が付着しないか
- 構造クラック:幅0.4mm以上の深いひび割れがないか
- 色褪せ:表面の塗装が紫外線や雨水で劣化していないか
- サビ:トタンの外壁などの鉄部がサビていないか
- コーキングの劣化:裂け目・割れ目・剥がれがないか
- カビ・藻・苔:カビ・藻・苔が発生していないか
プロによる1、2年おきの定期点検を依頼するのがベストですが、自分で日頃から確認できる内容もあります。
自宅の外壁をチェックし、外壁の劣化を早期発見しましょう。
外壁修理の費用は
外壁の劣化や損傷を発見したら、修理を依頼します。
修理にかかる費用の相場を認識しておきましょう。
外壁修理の費用相場
主な外壁の症状ごとの修理と費用相場は、以下の通りです。
外壁の症状 | 費用の目安(補修単価) | 修理内容 |
---|---|---|
ひび割れ | 1万〜50万円(1,700~2,500円/㎡) | (足場の有無で変動)ひび割れ処理 |
コーキングの劣化 | 5万〜50万円(700~1,200円/㎡) | 打ち増し・打ち替え |
外壁の汚れ(カビ・苔) | 2~5万円(200~250円/㎡)+水道代 | 高圧洗浄 |
外壁からの雨漏り | 1万〜50万円(状況に応じて変動) | 雨漏り修理 |
穴・傷・へこみ・欠け | 1万〜6万円(1箇所あたり) | 穴・傷・へこみ・欠けの補修工事 |
鉄部のサビ | 1万〜10万円(200円~2,200円/㎡) | サビ取り |
色褪せ・チョーキング | 60~100万円(約30坪を想定、1,700円~5,000円/㎡) | 外壁塗装 |
サイディングの反り・浮き | 60~300万円(約30坪を想定) | サイディング張り替え・重ね張り |
外壁の修理だけでも、1万円から数百万円の単位まで、かかる費用の幅が広いものです。
修理の範囲や損傷の度合い、足場を設置するかどうかなどによっても、大きく費用が変動します。
プロの業者へ依頼する際には、相見積もりをとるなどして数社比較し、相場から大きく外れていない業者を選ぶとよいでしょう。
火災保険でどれだけ負担が軽くなるか?
お気軽にご相談ください
火災保険に加入しているにもかかわらず、有効に活用できていないお客様が多数いらっしゃいます。
もしかすると修繕が必要な屋根や外壁の費用は火災保険で賄えるかもしれません。お気軽にご相談ください。
自分で外壁修理するには
費用負担を軽くするために、外壁を自分で修理したいという人もいるでしょう。
例えば外壁の軽微なひび割れ(ヘアークラック)なら、外壁の種類によって対処法が異なります。
外壁のひび割れをDIYで修理する方法:サイディング
ひびに合わせてV字にカットし、溝をつくり、清掃する
カッターナイフなどでひびの部分を削り、V字型の溝にします。
ナイロンのブラシや刷毛などで清掃します。
プライマー(下地)を塗る
はみ出さないようあらかじめ周りにマスキングテープなどを貼っておき、プライマーを塗布します。
パテを充填する
プライマーを塗った上から、サイディングのメーカーが指定するパテで補修します。
はみ出してしまったら、ヘラなどで除去します。
補修塗料で補修する
パテが乾いたら、刷毛などで補修塗料を使い、補修を行います。
サイディングをDIYする際には、道具や材料に最低でも5000〜2万円ほどの費用がかかります。
モルタルの外壁を再塗装する場合には、3〜4万円ほどの費用がかかるでしょう。
外壁修理を自分でするメリット・デメリット
外壁修理をDIYすることには、さまざまなメリットやデメリットがあります。
メリットとしては、軽微な損傷・劣化であれば、費用負担を少なく修理できることが挙げられます。
自分でやることで費用が軽くなるならと、日曜大工的にチャレンジする人もいるでしょう。
一方で、たとえDIYしたとしても費用面で大きく変わらなかった場合は、あまりメリットがないでしょう。
費用を少なくしようとDIYしてみても、材料や道具を揃える時点でお金や時間がかかってしまうこともあり、トータルコストが大きく変わらないこともあります。
また、正しい知識や技術がないまま外壁修理をすると、症状が悪化して外壁の寿命を縮めてしまうデメリットがあります。
特に、雨漏り・剥がれ・構造クラックなどの劣化症状はそもそも危険性が高く、プロに任せる判断をするほうが賢明です。
2階以上の外壁部分であれば高所作業になり、十分な装備をしていなければ、大怪我につながる恐れもあるでしょう。
あくまで自分での修理は応急処置と捉え、本格的な修理はプロへ依頼しましょう。
少ない自己負担で外壁を修理する方法
外壁の修理は業者に依頼するのが無難である反面、費用がかなりかさむこともあります。
とはいえ、自分でやるのもリスクが伴う場合が多い外壁の修理。
修理を依頼する際に、自己負担額を少なくするための方法を見ていきましょう。
閑散期に定期的なメンテナンス
外壁のメンテナンスを定期的に依頼し、閑散期に修理を行うことで、トータルコストを抑えることが可能です。
外壁修理の依頼件数は、転勤や異動の多い春と秋が最も多いものです。
その分、冬は人気の業者でも修理の依頼が立て込みにくく、比較的費用が安くなりやすいでしょう。
また、外壁の損傷が小さいうちに発見できるよう、定期的に点検やメンテナンスを依頼します。
外壁の損傷は放置していても直ることはなく、進行するばかりです。
一気に修理を依頼しようとするほど、劣化や損傷が進行していて大掛かりな工事が必要だったり、費用負担がかさんだりするものです。
冬場を狙って定期的なメンテナンスを依頼することで、トータルでかかるコストを減少させられる傾向があります。
給付金や減税を利用する
リフォームの給付金や、リフォームローンの税控除を受けることで、費用負担を軽減することができるかもしれません。
自治体によっては、持ち家のリフォームを行う際に、費用の一部を助成する制度があります。
給付金の内容によっては、外壁のリフォームも対象になっていることがあります。
一度ご自分の市区町村のホームページなどで調べてみることで、思わぬサポートが見つけられるかもしれません。
ただし、制度ごとに工事金額・施工業者・申請タイミング・納税状況などの細かな条件が定められているため、早めのチェックを心がけましょう。
リフォームローンを利用して外壁のリフォームをする場合には、「住宅借入金等特別控除」という税控除を受けられます。
ローンが残っている間は「残額の1%×最大10年間」分、所得税から控除されます。
例えば、120万円の外壁塗装を行った場合には、通算で約10万円の税控除が受けられます。
給付金や減税などの知識を持っているだけで、少しでもお得に外壁のリフォームができるかもしれません。
【参考】令和3年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集を開始します!|国土交通省
火災保険申請をする
外壁の損傷が自然災害によるものである場合には、火災保険の保険金を受け取れる可能性があります。
火災保険では、基本的に過去3年以内の火災・自然災害(落雷・破裂・爆発・風・雹・雪災)・事故による損害が補償されます。
火災保険のプラン内容によっては、水害(洪水・高潮・集中豪雨など)や土砂崩れ、水漏れなどによる損害が含まれる場合とそうでない場合があるため、お手元の保険証書などで確認しましょう。
保険金を受け取るには、火災保険申請が必要です。
火災保険申請では、損害が自然災害によるものであることを証明するために、書類の提出や損害の説明などが求められます。
詳しくはこちらの記事で、手続きの詳細が確認できます。
まとめ
外壁はプロに定期的なメンテナンスを依頼することで、劣化を早期発見でき、トータルコストを抑えて修理が可能です。
火災保険の保険金をはじめとした方法で、費用負担を軽減することもできます。
ただし、火災保険申請は、保険の知識がない加入者にとっては複雑に感じやすい手続きのため、時間や労力の負荷が大きいものです。
火災保険申請サポートをうまく活用すれば、一人で抱え込まずに手続きを進められます。
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